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嚥下(えんげ)

嚥下(えんげ)

異常嚥下癖(いじょうえんげへき)

今、子供達のほぼすべてが、異常嚥下癖(いじょうえんげへき)に陥っています!

にもかかわらず、異常嚥下癖(いじょうえんげへき)が何なのかを知らない親御さんがほぼ全員です!
その親御さんご本人が異常嚥下癖であっても気づいておられません!
無くて七癖とはいいますが、異常嚥下癖は唾液や飲み物、食物の飲み込み方の異常です。 
歯科医師で知らない人はいませんが それを改善させる充分な指導や方法まで理解されていないのが実情です。私もどのように皆さんにお伝えすれば良いか格闘しています。

正常な嚥下の動きはどのようなものでしょうか?

 正しい飲み方を文章で表現すれば舌を上顎の天井に着けお口の後方部と前方部を仕切り さあ飲み込むぞと頭が判断すると舌がさらに上後方に口蓋に押し付けられてのどが上下して(気道を喉頭蓋が蓋をして)ストンとゴックンと飲み込み(嚥下)ます。外から見れば 「のどぼとけ」(甲状軟骨)が上下するのだけが見えます。 飲み込んだかどうかわからないのが正常な動きです。
この「のど仏」以外のすべての動き、顔やくちびるや舌に少しでも動きが見られれば異常です。飲み込んだかどうかがわかれば異常な動きだといえます。

食事をする時にクチャクチャと言う音を立てる人も異常です。
また普通の食べ物であっても飲み込むまでの時間がかかりすぎるのも異常です。

人は食べるときまた飲み込むまでに食塊形成をしますが、口の中では、食べ物を奥歯で噛みますが舌と頬の筋肉の協調で奥歯の上に運んで噛み潰し、飲み込めると判断できれば、嚥下します。その協調運動がうまくいかないこと、嚥下力の弱さが食べ物を食道に送ることを妨げているようです。

異常嚥下癖(いじょうえんげへき)があると歯並び 咬合がおかしくなります。

学校検診や歯科に通院時に 歯並びや咬合異常を指摘されたお子様は 必ず?嚥下に異常があります。
たとえ 学校検診で歯並びの問題がなくても 嚥下の異常は見逃されています。集団検診ではきちっとしたその個人の咬合状態を探すのも無理がありますし 私の日々の診療では お子様の歯並び、噛み合わせに95%くらいに異常が見られるからです。成人でも当院で診療にあたって嚥下が正常であるのは30%ほどあるでしょうか?
噛み合わせ、歯並びを良くしたければ正しい嚥下を身につけることです。咬合、噛み合わせ、歯並びは嚥下に関わる筋肉のバランスによって作られています。遺伝も関わるでしょう。下あごが出ていたり。ハプスブルグ家の肖像画のように。
異常嚥下癖は赤ちゃんのころからの哺乳の動きと似ています。乱暴ですが 成人になってもこの赤ちゃん飲みが続いている状態です。なぜ、このようになったかは不明ですが 誰からも指摘されなかったからでしょう。私は「子どもの頃によく口が開いてる、口を閉じろ」と言われました。虚弱体質でアレルギー性鼻炎に悩まされていました。今でも同じ体質ですが、舌の動きは正常です。
上あごの成長は10才頃ピークを迎えます。すなはち、小学4年生のころです。上あごの成長の重要さはその上あごの深さと幅の大きさにあります。ここは舌の入る空間であり食べ物をしっかりたくさん入れられる空間です。口を閉じると口で呼吸できません 口でできないと鼻で呼吸します 鼻でしっかり呼吸できるようになると鼻腔、鼻の付け根、目の下(眼窩)の骨の空間も拡がります。顔の上下で言うと 中顔面部の拡大です。
この中顔面部の骨の下に上あごが連なっています。上あごの拡大が続きます。上あごが拡がると舌の空間が拡がります。ということは舌がしっかりと上下左右に動けるようになり正しい嚥下ができる準備ができたことになります。 この舌の動きが上あごをさらに拡大するのに有効で 上の歯の歯並びが良くなります。舌は筋肉のかたまりです。そして四六時中 歯にあごに接触します。矯正しているのと同じです。いや、それ以上です。


治療恐怖症や入れ歯の悩みも嚥下障害と関係します
 うちの子は痛がりでよく泣くとか歯医者が嫌いとか怖いとか苦しいとか、新しく作った入れ歯が合わないとか、言われる方がおられますが これらも 異常嚥下癖と関係しています。口から入れる胃カメラも辛いと思います。
 
お口の中の治療は局所麻酔をしていても意識はあるので 人によって恐怖感や違和感があるのは否めませんが、歯科治療で違和感や苦しさをおぼえるのは 舌の動きが制限されると感じるからで 舌が正常に動いていないことを意味します。歯科治療では仰向けになって治療を受けるため 舌を動かさずに水や自分の唾液を飲み込まずにじっとしているというのは舌癖のある人にとっては苦痛なのです。鼻呼吸がうまくできないお子さんはそれだけで苦痛と感じます。痛かったと表現します。入れ歯が合わない、違和感が強いと言うのは 本来、入れ歯がおさまるべきお口の中の領域を舌が触って入れ歯を邪魔しているという意味です。


異常嚥下癖(いじょうえんげへき)、多くは舌癖とも言います。
すなはち、主に舌のくせで代表されます。ただし、舌のくせと言っても、舌だけではなく、顔、口唇の周囲の筋肉の動きと協調して動くので、異常嚥下癖は正確には舌と口腔周囲筋の協調性の異常だと言えます。
 自分の子どもに異常があったとしても自分にも異常があったとしても 舌が口唇から飛び出るのを偶然発見したとしても 日常の生活では一生 気づくことは無いでしょう。 異常嚥下癖を指摘されるチャンスがあるとすれば異常嚥下癖に理解ある歯科医師に出会ったときだけです。
お子さんも大人の方も手鏡を持って 「イー」と歯をしっかり見える状態で唾を飲み込みます。その時、歯のすきまから舌が見えた方は舌癖があります。そのときに目を閉じてしまう方はさらに重症です。舌癖だけでなく顔の表情筋も異常に動いています。飲み込むときは のど仏以外は見た目に動いてはだめです。」

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)は耳にしたことがあるでしょうか。国民の死因の第3位まで増えています。 誤嚥性肺炎は食事をするときなどに食物や口の中の細菌を気管に誤嚥(誤って飲み込む)することで肺炎を起こすことです。高齢化社会は今後も深刻化を増しそのリスクはさらに高まるでしょう。強調したいのは子どもの頃から放置された異常嚥下癖がこの誤嚥性肺炎のもとになっていると私は考えています。 また、脳梗塞や重篤な病にかかり 手術後 胃瘻(胃に直接チューブで入れる)で栄養補給を行うことが多く 病気の快復とともに再びお口から食事を採れるようリハビリしますが、この摂食嚥下リハビリテーションには 様々な医療関係者、作業療法士、理学療法士などが関わっていますが 先ほどから述べている子どもの頃からの正しい嚥下の必要性を発達の面からいえば充分にフォローされているとはいえません。これも私たち歯科医師の努力不足がなせることです。 この世に生きている間は美味しいものをまともに味わって行きたいのなら子どもの頃からの正しい嚥下の獲得が絶対に必要なのです。

異常嚥下癖(いじょうえんげへき)は成長発育盛んな子ども達の健康な体の発育を阻害します。
例えば、鼻のとおりが悪いお子さんは上顎を矯正装置で広げると鼻のとおりがよくなります。鼻が悪いお子さんは口で呼吸します。幼稚園〜小学低学年にはアデノイド(鼻の奥ののど)や扁桃腺(主に口蓋扁桃、のどの左右)は最大になります。
口で呼吸しているとアデノイドや扁桃腺が腫れやすく炎症により赤くなっていることが多く風邪などで熱が頻繁に出やすくなるように思います。熱が出ることは外からのばい菌と体の免疫が戦っている証で正常ですが。 鼻の粘膜は吸い込む空気を浄化する空気清浄機です。そのフィルターを通さずに口で吸い込んでいることは24時間呼吸系に負担をかけていることになります。虚弱体質も心配です。

異常嚥下癖の多くでは舌は前下方に位置します。想像して下さい 舌を取り囲むお口の空間は上あごと下あごの骨であることを。舌が前下方にあり強く突き出すとどうなるか。成長期の柔らかい骨は細長くなります。その空間で舌は下に置かれているためお口の空気の流れる道が大きくなります。これが口呼吸です。鼻で呼吸ができにくいのです。結果、上口唇が富士山型になっていませんか? 上口唇が下がらず上下の唇がくっつかないでいます。さらに上の前歯が出たままになっていませんか? 耳鼻科に行く前に 歯科でチェックしましょう。



大人でも歯と歯の間に虫歯がある、4本以上虫歯治療をしたことがある。
舌で食べ物を舌癖で歯の間に押し込むため虫歯が増えます。特に上の前歯に多く見られます。舌のあて方で虫歯のできる場所に違いが出ますが。

虫歯も無いのに噛みしめると奥歯が痛くなる、じんわり痛い!
また、舌の側面に凹凸がある方は舌を奥歯の内側から外側に向かって押し付けています。これも舌癖で、さらに歯に過剰な負担をかける食いしばりやTCHといわれる上下の奥歯が長時間接触した状態が見られます。このことは噛むための大きな筋肉である咬筋の連続した収縮により顎周囲の痛み、顎関節の痛みを発症します。さらに肩こりやめまいを併発することがあります。
中高年になると顎の骨も硬さを増し、歯もしなりがなくなり硬くなりもろくなり、このような食いしばりにより自身の噛む力で歯が割れることもよくあります。虫歯でもないのに歯がしみる(知覚過敏)ようになるのは同様な理由で歯に亀裂が入ったり歯ぐきに近いエナメル質が剥離するためであるといわれています。

では舌はどのように状態が良いのでしょうか人はリラックスしている時、すなわち力が抜けている状態このことを安静時といいます。重量挙げのような強い力を出すスポーツでは食いしばる必要がありますが、ゴルフのようにムラのない回転スピードを出すスポーツではむしろ食いしばらずに少し口が開いた状態が良いとされています。このような安静時と言う状態は歯と歯が接触せずにわずかに開いた状態で、舌はお口の中で丸くなっています、たとえるとゼンマイばねが引き延ばされて手をはなすとくるっと軽く巻き戻されたような力が入っていないような状態です。決して歯に強く接触してはいません。上あごの後方に軽く接触した状態です。
つねに意識して思い出して下さい。



お子様の日常生活で気をつけることは、つねに姿勢を正すこと。
食事中は特に姿勢を正す。
床に足裏の届かないお子さんは下に物を置くか椅子の高さを調整するなどして足裏を何かにつけて姿勢を安定させます。
テーブルは大人の高さにあったものですから。

姿勢が悪い・うつむき姿勢はストローで吸い込む飲み方と同じで舌が前下方に落ちやすくなるのでよくありません。

食事中はテレビをつけない、しっかり噛むことに集中できにくくしっかり飲み込むことを忘れがちです。
テレビの位置が左右にあれば顎のずれが生じます

口を閉じる。閉じるよう子どもに注意することをしつこく続ける。折をみて「口を閉めて!」としんどいですが言い続けて下さい。
とにかく 鼻で呼吸をすることです。

うつぶせ寝を極力止める。 
下あごが後退し呼吸も嚥下も苦しくなります
ほおづえもだめ、顎のずれ、歯列の狭窄など


鏡の前で奥歯を噛んだまま 舌が見えないように飲み込む練習をする
ニッコリ しっかり 笑顔を作る練習をする。トトロの、めいちゃんの様な笑顔!
あ。い。う。べ。体操もよいです。 表情が少なすぎます

スイミングスクールは良いと思います。
口呼吸と異常嚥下の改善が期待できると思います

歯磨きより大切なことかも

 正しく舌の飲み込み動作(嚥下)ができない方は大きく健康を損ねているはずです。

自分が お子さんが正しく嚥下できている、異常がないと思っているのはほぼ間違いで

0歳から80歳すぎまで 健康に暮らされておられる方も 異常に気づいていません!

多くの歯科医院でも指摘されないままになっています。皆さん初めて気づかされたと言われる方ばかりです。

診療に際して 虫歯や歯磨きがうまくできないや 歯がぐらぐらするや 入れ歯が合わないや 何かしら痛いとか

原因を詰めて行くと 嚥下動作不良に必ず突き当たります。

この問題は普段の生活で自分が気づかないこと それがトラブルの原因になっていてもわからないことです。

私は患者さんやそのご家族に必ずそれを指摘しますし、改善方法をご指導しています。

ただし、改善することが難しい点は どんな癖でも直すのは難しいという1点につきます。

あまりにも嚥下異常の方が多すぎて説明と指導に疲れてきっていますが それでも 気づいていただくために言い続けています。

たとえば入れ歯が合わないとか気持ち悪いとか、これは 舌が入ってはいけない 入れ歯が納まるべきお口の中のスペースに舌が入って邪魔する癖があるためです。

成人しても歯の間に虫歯がしょっちゅうできるのは 舌で汚れを歯のすきまに押し込む癖があるからです。

おとなでも子どもでも前歯が出ているのは 舌で前歯を押し出したからです。

よくお子さんで前歯をけがするのはその結果です。

歯周病といわれていて奥歯が早くに失くしていったのは 嚥下異常の動きが下あごを後退させ お口の後方部を狭くして
奥歯周囲の舌や頬の筋肉との余裕がなくなり奥歯は常に横から押されてさらに60kgもあるといわれる自分の噛む力で
最も堅い歯の根っこで歯に比べれば柔らかいあご骨を壊して行ったからです。

どうですか? みなさん 唾を飲み込んでみて下さい。飲み込み終わった直後 感覚的に舌先が前歯にあたっていませんでしたか?

あたっているような感じでしたら 鏡をみながら 「いーっ」と歯を見ながら唾を嚥下して下さい。前歯のすきまから舌が見えていませんか? まだわかりませんか? 飲み込む唾が歯のすきまから漏れてきて泡ができていませんか?

重症な方は「イーッ」として手鏡で歯を見ることができません。目で歯を注視できないのです。??? 目が開けられない方もいます。

これは 嚥下のときに舌を前方に出すために 前歯にできるすきまを埋めようと顔の表情筋までも使うので目が開けれない、歯を注視できないのです。

自分で客観的に外から鏡を見て正しく嚥下できたかどうかの確認方法は 嚥下したときに のど仏が動いたことが唯一見られるときだけです それ以外の口元やあごが動いたのがばれるようでしたら失敗です

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